運転免許の更新では、必ず視力検査があります。「メガネなしで通るか不安」「片目だけ見えにくい」という人も多いでしょう。基準は免許の種類によって違います。
この記事では、免許の種類ごとの視力基準、片眼の基準、深視力、色彩識別、メガネ・コンタクトの扱い、検査に通らなかったときの扱いを整理します。警察庁と都道府県警察の公式サイトの情報(2026年10月確認)をもとにしています。
- 普通免許・二輪などは「両眼0.7以上かつ各眼0.3以上」が基準です。
- 大型・中型(限定なし)・準中型(限定なし)・けん引・二種は「両眼0.8以上かつ各眼0.5以上」に加え、深視力の検査があります。
- 原付・小型特殊は「両眼0.5以上」です。
- 片眼が0.3未満や見えない場合でも、他眼の視力と視野が基準を満たせば普通免許などは対象になります。
- メガネ等で矯正した視力でも構いません。適性検査に合格しないと更新はできません。
免許更新で視力検査が必要な理由

警察庁は、マイナ免許証の人も含めて、更新に必要な視力検査のために運転免許センターなどへ来る必要があると案内しています。オンライン更新時講習を受けた人も、視力検査などの手続きは窓口で受けます。
埼玉県警察は、視力や聴力などは年月とともに変化するおそれがあるため、更新時に確認すると説明しています。
出典:警察庁「マイナンバーカードと運転免許証の一体化・オンライン更新時講習」、埼玉県警察「運転免許更新時における適性検査」(2026年10月確認)
免許の種類ごとの視力基準
視力の基準は、道路交通法施行規則第23条にもとづいて全国共通です。ここでは警視庁の「適性試験の合格基準」をもとにまとめます。
普通免許・二輪・大型特殊など
対象は、普通第一種、二輪、大型特殊、中型第一種(8トン限定)、準中型第一種(5トン限定)、普通仮免許です。
- 両眼の視力が0.7以上で、かつ各眼が0.3以上
- 一方の眼が0.3未満、または一眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上
大型・中型・準中型・けん引・二種
対象は、大型第一種、中型第一種(限定なし)、準中型第一種(限定なし)、けん引、第二種、大型・中型・準中型の仮免許です。
- 両眼の視力が0.8以上で、かつ各眼が0.5以上
- 深視力:三桿法の奥行知覚検査器で、2.5mの距離から3回検査し、平均誤差が2cm以下
こちらは、普通免許のような「片眼が見えない場合」の扱いがありません。片眼でも0.5に届かなければ基準を満たしません。
原付・小型特殊
- 両眼の視力が0.5以上
- 一眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上
出典:警視庁「適性試験の合格基準」、静岡県警察「運転免許試験の適性試験」(2026年10月確認)
深視力の検査とは

深視力は、奥行きの見え方を測る検査です。大型・中型・準中型(限定なし)・けん引・二種の免許で必要です。
大阪府警察の説明では、3本の棒で奥行きの見え方を測ります。動く中央の棒が、両側の固定された棒の間を通ったときにボタンで止めます。これを3回行い、平均誤差が2cm以内なら合格です。
大阪府警察は例も示しています。誤差が2cm・4cm・0cmなら平均2.0cmで合格です。2cm・3cm・2cmなら平均2.3cmで不合格です。
出典:大阪府警察「免許の種類と視力等の基準」(2026年10月確認)
色彩識別の検査
色彩識別の基準は、赤・青・黄の3色を識別できることです。
ただし警視庁は、現に免許を受けている人や、更新・失効手続きの人には検査を行わないとしています。更新で色の検査があるかどうか不安な人は、住所地の警察の案内も確認してください。
出典:警視庁「適性試験の合格基準」(2026年10月確認)
メガネ・コンタクトの扱いと免許の条件
メガネ等で矯正した視力でよい
大阪府警察は、視力の基準について「眼鏡等による矯正可」としています。埼玉県警察と千葉県警察も、基準に達しない場合は眼鏡等で矯正することになると案内しています。
愛知県警察は、眼鏡やコンタクトレンズを使っている人は必ず持参するよう求めています。更新の日は、ふだん運転で使うメガネやコンタクトを忘れずに持って行きましょう。
出典:大阪府警察「免許の種類と視力等の基準」、千葉県警察「適性試験(検査)の合格基準について」、愛知県警察「適性試験(視力等)の合格基準」(2026年10月確認)
視力が回復したら「眼鏡等」の条件を外せる
免許証に「眼鏡等」の条件が付いている人は、視力が回復した場合に条件の解除を申請できます。
- 大阪府警察:更新手続きとあわせて申請する方法と、条件解除の申請だけを行う方法があります。更新時は、視力が回復したことを窓口に伝えます。
- 栃木県警察:更新時の視力検査の結果でも、「眼鏡等」の条件を解除・変更できるとしています。手数料は無料です。
- 警視庁:眼鏡等条件解除審査は、府中・鮫洲・江東の運転免許試験場で受けられます。手数料は無料です。角膜矯正用コンタクトレンズで一時的に視力が回復した人は対象外です。
受付窓口や時間は都道府県によって違います。
出典:大阪府警察「Q4 レーシック手術を受け視力が回復したのですが」、栃木県警察「視力の回復により免許条件『眼鏡等』の解除を希望する方」、警視庁「眼鏡等条件解除審査」(2026年10月確認)
視力検査に落ちたらどうなる?
適性検査に合格しないと更新できない
埼玉県警察と千葉県警察は、適性検査に合格しない場合は免許の更新ができないと明記しています。視力が落ちている自覚がある人は、事前にメガネ等で矯正しておくと手続きがスムーズだと、埼玉県警察は案内しています。
上位の免許の基準に届かない場合
大型や二種などの基準(両眼0.8・各眼0.5・深視力)に届かない場合の扱いも案内されています。
- 埼玉県警察:基準を満たす普通免許または第一種免許で更新することになります。
- 千葉県警察:基準を満たす普通免許または第一種免許が交付されます。
つまり、普通免許の基準を満たしていれば、運転そのものができなくなるとは限りません。ただし、大型車の運転や旅客運送の仕事に影響します。仕事で使う人は、早めに眼科で相談しておくと安心です。
その場でもう一度検査できるか、何日以内に出直せばよいかといった細かい扱いは、確認できた公式情報には全国共通の記載がありませんでした。更新する都道府県の運転免許センターに確認してください。
出典:埼玉県警察「運転免許更新時における適性検査」、千葉県警察「適性試験(検査)の合格基準について」(2026年10月確認)
視力検査の日に持っていくと安心なもの
「眼鏡等」の条件がある人は、更新の日に眼鏡やコンタクトレンズを忘れずに持っていきましょう。持ち運び用のケースや、レンズを拭くクロスがあると、検査の前にすぐ準備できます。
よくある質問
- 片目が見えなくても普通免許は更新できますか?
普通免許などは、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上あれば基準を満たします。大型・中型・二種などは各眼0.5以上が必要なので、同じ扱いにはなりません。
- コンタクトレンズで検査を受けてもいいですか?
基準は矯正視力でも構いません。愛知県警察は、眼鏡やコンタクトレンズを使っている人は持参するよう求めています。
- 更新のときに色の検査はありますか?
警視庁は、現に免許を受けている人や更新手続きの人には色彩識別の検査を行わないとしています。
- レーシックで視力が戻りました。条件はどうなりますか?
条件解除の申請をして、視力検査に合格すれば「眼鏡等」の条件が外れます。大阪府警察や栃木県警察は、更新時にあわせて手続きできると案内しています。
まとめ
免許更新の視力基準は、普通免許などが「両眼0.7以上かつ各眼0.3以上」、大型・二種などが「両眼0.8以上かつ各眼0.5以上と深視力」、原付・小型特殊が「両眼0.5以上」です。メガネ等で矯正した視力でも構いません。
適性検査に合格しないと更新はできません。視力に不安がある人は、更新期間に入る前にメガネ等を用意しておきましょう。
更新の期間や必要なものは運転免許の更新|期間・必要なもの・手数料で確認できます。窓口選びは警察署で免許更新できる人の条件【全国47都道府県まとめ】と全国の運転免許センターの受付時間も参考にしてください。
