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「子どもが免許を取って自分の車を買うことになった。親の等級を引き継げば保険料が安くなるって本当?」――自動車保険の等級は、条件を満たせば家族に引き継げます。ただし、引き継げる相手やタイミングにはルールがあり、一人暮らしを始めたあとでは引き継げなくなることもあります。
この記事では、免許を取った子どもに親の等級を引き継ぐケースを中心に、等級のしくみ、引き継げる人・引き継げない人、手続きの流れ、注意点を保険会社の公式情報をもとに解説します。

そもそも自動車保険の「等級」とは
等級(ノンフリート等級)は、事故の有無によって保険料の割引・割増を決めるしくみです。三井ダイレクト損保の説明をもとに、基本を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 等級の範囲 | 1〜20等級の20段階 |
| 初めて契約するとき | 原則6等級からスタート |
| 無事故で1年たつと | 翌年は1等級上がる |
| 3等級ダウン事故 | 1件につき3等級下がる(事故有係数適用期間が3年加算) |
| 1等級ダウン事故 | 1件につき1等級下がる(事故有係数適用期間が1年加算) |
| ノーカウント事故 | 等級は下がらない |
| 事故有係数適用期間の上限 | 6年 |
出典:三井ダイレクト損保「自動車保険の等級制度とは」、日本損害保険協会「ノンフリート等級別料率制度」(2026年10月29日確認)
等級が高いほど割引が大きくなるので、長く無事故で運転してきた親の等級は、それだけ価値があります。これから運転を始める子が6等級から始めるのと、親の高い等級を引き継いで始めるのとでは、保険料に差が出ます。
等級を引き継げる人・引き継げない人
引き継げるのは「配偶者」と「同居の親族」
三井ダイレクト損保によると、等級を引き継げるのは次の人です。

- 記名被保険者(主に運転する人)の配偶者
- 記名被保険者の同居の親族
- 配偶者の同居の親族
実家に住んでいる子は「同居の親族」なので、親の等級を引き継げます。
別居している子には引き継げない
反対に、別居の未婚の子、別居の親族、友人には引き継げません。ソニー損保も「血縁関係が近くても、別居していれば等級を引継ぐことはできません」と説明しています。
進学や就職で一人暮らしを始めてからでは、親の等級を引き継げません。家を出る予定があるなら、同居しているうちに引き継ぎの手続きを済ませられないか、保険会社や代理店に相談しておきましょう。
出典:三井ダイレクト損保「自動車保険の等級制度とは」、ソニー損保「家族間での等級の引継ぎ」(2026年10月29日確認)
親から子へ等級を引き継ぐ流れ
基本の考え方は「親の契約の車を子の車に入れ替える」
東京海上ダイレクト(旧イーデザイン損保)は、親の契約の車を子の車に入れ替えて、子が親の等級を引き継ぐ方法を紹介しています。例として「親の等級が12等級であれば、子どもは12等級からスタートできます」と説明しています。
一般的な流れは次のとおりです。具体的な手続きや必要書類は保険会社によって違うので、必ず契約先に確認してください。
- 子の車の納車日を確認する
- 親が契約している保険会社(または代理店)に連絡する:契約の車を子の車に入れ替え、記名被保険者を子に変更する
- 年齢条件・運転者限定を子に合わせる:免許を取ったばかりの子が運転するので、年齢条件の見直しが必要
- 親の車の保険を新しく契約する:親の車は保険がなくなるため、親名義で新規に契約する
親の車の保険はどうなる?
等級を子に引き継ぐと、親の車は新しく保険に入り直すことになり、原則として6等級から始まります。ただし、子の車の契約が11等級以上になっていれば、親の車の新規契約でセカンドカー割引の条件を満たし、7等級から始められる場合があります。セカンドカー割引の条件はセカンドカー割引の記事で詳しく解説しています。
保険料は、若い運転者ほど高くなりやすい傾向があります。高い等級を若い子の契約に回し、親の契約は低い等級で始めるほうが、家族全体の保険料が下がることがあるのはこのためです。ただし、どちらが得かは等級や車の種類、年齢条件によって変わるので、両方のパターンで見積もりを取って比べるのが確実です。
保険会社を乗り換えても等級は引き継げる
等級は、保険会社を乗り換えても引き継げます。ただし、三井ダイレクト損保によると、満期日または解約日の翌日から8日以上空くと、原則として引き継げず6等級からのスタートになります。乗り換えるときは、前の契約の満期日に合わせて新しい契約を始めましょう。
子に等級を引き継いだあとに、子の契約を保険料の安い会社へ乗り換えることもできます。免許を取ったばかりの年代は保険料が高くなりやすいので、満期のたびに比べる価値があります。
しばらく車に乗らないなら「中断証明書」
海外赴任や車を手放すなどで、しばらく自動車保険に入らない場合は「中断証明書」を発行してもらうと、等級を保存できます。三井住友海上では、中断証明書は満期日(中途解約の場合は解約日)から10年間有効です(海外渡航が理由の場合は出国日から10年間)。
親が高齢になって運転をやめるときも、すぐに解約せず、同居の家族への引き継ぎや中断証明書の発行ができないかを確認しておくと、等級を無駄にせずにすみます。
出典:三井住友海上 よくあるご質問「中断証明書の有効期間」(2026年10月29日確認)
等級の引き継ぎでよくある失敗
| 失敗 | 起こること | 防ぐには |
|---|---|---|
| 子が家を出てから引き継ごうとした | 別居の子には引き継げない | 同居しているうちに手続きする |
| 乗り換えで契約の間が空いた | 8日以上空くと6等級から | 満期日に合わせて新しい契約を始める |
| 友人から車をもらって等級も引き継げると思った | 友人の等級は引き継げない | 新規契約(原則6等級)で考える |
| 引き継いだあと年齢条件を変えなかった | 子の運転が補償されないことがある | 引き継ぎと同時に年齢条件・運転者限定を見直す |
| 親が運転をやめてすぐ解約した | 等級が消えてしまう | 家族への引き継ぎや中断証明書を検討する |
ケース別:わが家は等級を引き継げる?
家族の状況によって、引き継げるかどうかと、おすすめの進め方が変わります。よくあるケースを整理しました。
ケース1:実家に住む子が自分の車を買う
子は親の「同居の親族」なので、親の等級を引き継げます。親の契約の車を子の車に入れ替え、記名被保険者を子にする形が基本です。親の車は新しく契約し直すことになりますが、子の契約が11等級以上ならセカンドカー割引で7等級から始められる場合があります。引き継ぐ場合と引き継がない場合(子をセカンドカー割引で新規契約する場合)の両方で、家族の合計保険料を見積もって比べましょう。
ケース2:親が高齢で運転をやめる
同居の子が車を運転するなら、親の等級を子に引き継げます。親が長年無事故なら高い等級になっていることが多いので、解約する前に引き継げないか確認する価値があります。すぐに引き継ぐ人がいない場合は、中断証明書で等級を保存しておく方法もあります。
ケース3:子がもうすぐ進学・就職で家を出る
家を出て別居すると、親の等級は引き継げません。車を持って家を出る予定なら、同居しているうちに引き継ぎの手続きを済ませられないか、保険会社や代理店に相談しておきましょう。引き継いだあとに子が家を出ても、その契約は子の契約として続きます。
ケース4:別居している子に車を譲る
別居している子には等級を引き継げないので、子は原則として6等級から新規に契約することになります。親の契約は、別の車に入れ替えるか、中断証明書を発行してもらうかを検討しましょう。
ケース5:友人や知人から車を譲ってもらう
友人の等級は引き継げません。車の名義変更とは別に、自分で新しく保険に入る必要があります。初めての契約なら原則6等級からです。
引き継ぎの手続きで準備しておくもの
必要書類は保険会社によって違いますが、手続きの際に聞かれることが多い情報は次のとおりです。電話やWebで手続きする前に手元に用意しておくと、スムーズに進みます。
- 現在の保険証券(証券番号、等級、満期日、記名被保険者)
- 新しく契約する車の車検証(車の種類、所有者、登録番号)
- 新しく記名被保険者になる人の運転免許証(免許証の色、生年月日)
- 納車日・運転を始める日(補償を始める日に合わせて手続きする)
このほかに必要な書類がないかは、手続きの前に契約先へ確認してください。
引き継ぐ前に確認したい年齢条件
等級を引き継いで子の契約にしたら、運転者年齢条件を子の年齢に合わせる必要があります。三井住友海上の区分は「年令を問わず補償/21才以上補償/26才以上補償/35才以上補償(GK クルマの保険のみ)」、SBI損保は「年齢を問わず補償/21歳以上補償/26歳以上補償」です。
18歳や19歳で免許を取ったばかりなら、「年齢を問わず補償」が必要になります。21歳・26歳の誕生日を迎えたら区分を上げると保険料が下がることがあるので、誕生日も見直しのタイミングです。年齢条件と運転者限定の詳しい説明は、免許を取った子どもの自動車保険にまとめています。
引き継いだあとに見直したい補償内容
等級を引き継いで子の契約にすると、補償内容も子の使い方に合わせて見直すタイミングになります。特に次の点は、親が使っていたときのままにしないよう注意しましょう。
| 項目 | 見直しのポイント |
|---|---|
| 運転者年齢条件 | 子の年齢に合わせる。21歳・26歳の誕生日に区分を上げられないか確認 |
| 運転者限定 | 本人限定・本人配偶者限定のままだと、記名被保険者以外の運転が補償されないことがある |
| 使用目的 | 通勤・通学に使うのか、日常・レジャーだけかを正しく申告する |
| 車両保険 | 車の価値やローンの有無に合わせて、付けるかどうか・補償の範囲を決める |
| 特約 | 弁護士費用特約や個人賠償責任の特約などが、家族の別の契約と重複していないか確認する |
補償の範囲を変えると保険料も変わるので、見直した条件で複数社の見積もりを取り、比べてから決めましょう。
よくある質問
祖父母の等級を孫に引き継げる?
同居している親族であれば、引き継げる範囲に入ります。別居している場合は引き継げません。迷う場合は、実際の住まいの状況を保険会社に伝えて確認しましょう。
引き継げる等級に上限はある?
等級は1〜20等級の範囲で引き継ぎます。親が20等級なら、条件を満たせば子も20等級の契約になります。親の契約に事故有係数適用期間が残っている場合の扱いは、契約先に確認してください。
引き継いだ子が事故を起こしたら?
引き継いだあとは子の契約の等級として扱われるので、子が保険を使えば、その契約の等級が下がります。
バイク保険の等級は自動車保険に引き継げる?
多くの保険会社で、バイク保険と自動車保険の間の等級の引き継ぎはできないとしています。契約先に確認してください。
まとめ
- 等級を引き継げるのは配偶者・同居の親族・配偶者の同居の親族。別居の子には引き継げない
- 親から子へは「親の契約の車を子の車に入れ替える」形で引き継ぐのが基本
- 親の車は新規契約になる。条件を満たせばセカンドカー割引で7等級から始められる場合がある
- 乗り換えは8日以上空けない。運転をやめるときは中断証明書も検討する
- 引き継ぐパターンと引き継がないパターンの両方で見積もりを比べる

