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「会社でマイクロバスを運転してほしいと言われたけど、今の免許で大丈夫?」「送迎バスの運転手の求人に応募したいけど、二種免許はいる?」という方に向けて、マイクロバスを運転するのに必要な免許を、乗車定員・免許を取った時期・送迎の目的の3つの軸で整理しました。
制度は警察庁・警視庁・各道府県警察・e-Gov法令検索の公式情報、教習の時限数と料金は北海道から九州までの教習所の公式ページで確認しています。数字は2026年10月6日時点で確認したもので、税込です。
この記事の結論
- 必要な免許は車の呼び名ではなく乗車定員で決まる。11〜29人は中型免許、30人以上は大型免許、10人以下なら普通免許の範囲
- 平成19年6月1日までに取った普通免許(現在の8t限定中型)は乗車定員10人以下までで、11人以上のマイクロバスは運転できない
- 8t限定中型の人は技能5時限(MT)の限定解除で運転できるようになる。料金例は全国6校で約8.0万〜13.1万円
- 普通免許MT所持から中型免許を取る場合は技能15時限・学科1時限(全国の教習所で共通)。受験には20歳以上・経験2年以上が必要
- バス事業などで旅客自動車運送事業として人を運ぶなら中型第二種免許以上が必要。自社の無料送迎などは第一種でよい
マイクロバスに必要な免許は「乗車定員」で決まる
運転免許の区分は、「マイクロバス」「ワゴン」といった車の呼び名ではなく、車両総重量・最大積載量・乗車定員の3つで決まります。人を乗せる車の場合、まず見るべきは乗車定員です。
| 免許の種類 | 乗車定員 | 車両総重量 | 最大積載量 |
|---|---|---|---|
| 普通免許 | 10人以下 | 3.5t未満 | 2t未満 |
| 準中型免許 | 10人以下 | 3.5t以上7.5t未満 | 2t以上4.5t未満 |
| 中型免許 | 11人以上29人以下 | 7.5t以上11t未満 | 4.5t以上6.5t未満 |
| 大型免許 | 30人以上 | 11t以上 | 6.5t以上 |
出典:福岡県警察「各免許で運転できる自動車の範囲」(2026年10月6日確認・平成29年3月12日以降に取得した免許の範囲)
3つの条件のうち1つでも上の区分に当てはまれば、上の免許が必要です。たとえば車両総重量が軽くても、乗車定員が11人以上なら中型免許が必要になります。逆に、見た目が大きなワゴン車でも乗車定員10人以下で、重さも普通免許の範囲に収まっていれば普通免許で運転できます。
マイクロバスと呼ばれる車は乗車定員が11人以上のものが多いため、「マイクロバス=中型免許」と考えておくのが基本です。ただし最終的には、運転する車の自動車検査証(車検証)にある「乗車定員」「車両総重量」を確認して判断してください。乗車定員が30人以上なら大型免許が必要です。

免許を取った時期で違う|自分の免許でマイクロバスに乗れるか
「普通免許しか持っていないけど、昔の普通免許なら大きい車に乗れると聞いた」という方は注意が必要です。確かに古い普通免許は今の普通免許より範囲が広いのですが、乗車定員は10人以下のままです。
| 持っている免許(取得時期) | 現在の扱い | 乗車定員 | 11人以上のマイクロバス |
|---|---|---|---|
| 普通免許(平成19年6月1日まで) | 8t限定中型 | 10人以下 | × |
| 普通免許(平成19年6月2日〜平成29年3月11日) | 5t限定準中型 | 10人以下 | × |
| 普通免許(平成29年3月12日以降) | 普通 | 10人以下 | × |
| 準中型免許 | 準中型 | 10人以下 | × |
| 中型免許(限定なし) | 中型 | 29人以下 | ○(29人以下) |
| 大型免許 | 大型 | 制限なし | ○ |
出典:福岡県警察「各免許で運転できる自動車の範囲」(2026年10月6日確認)
平成19年6月1日までに普通免許を取った人の免許証は、種類欄が「中型」になっていますが、条件欄に「中型車は中型車(8t)に限る」と書かれています(愛知県警察「中型免許」のQ&Aによる)。この8t限定中型で運転できるのは車両総重量8t未満・最大積載量5t未満・乗車定員10人以下です。「免許証に中型と書いてあるからマイクロバスに乗れる」と思い込むと、免許条件違反になってしまいます。
一方、平成19年6月2日〜平成29年3月11日の間に中型免許そのものを取った人は、乗車定員29人以下まで運転できます。警視庁も「改正前の普通免許又は中型免許を受けている方は、改正後も同じ範囲の自動車を運転することができます」と案内しています。免許証の種類欄と条件欄の両方を確認しましょう。
出典:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」(2026年10月6日確認)

8t限定中型の人は「限定解除」でマイクロバスに乗れる
8t限定中型の人が乗車定員11人以上のマイクロバスを運転するには、限定解除をして限定なしの中型免許にするのが近道です。新しく中型免許を取り直す必要はありません。
教習所で限定解除する場合
教習所で技能教習を受けて技能審査に合格し、交付された「技能審査合格証明書」を持って、住所地の都道府県の窓口(試験場や警察署)で申請します。北海道から九州までの教習所6校の料金例は次のとおりです。
| 教習所(所在地) | 8t限定(MT) | 8t限定(AT) |
|---|---|---|
| 手稲自動車学校(札幌市) | 97,300円(技能5時限) | — |
| 新小岩自動車学校(東京都葛飾区) | 131,230円(技能5時限) | 161,150円(技能9時限) |
| 名鉄自動車学校(名古屋市) | 122,650円(技能5時限) | — |
| 関目自動車学校(大阪市) | 79,750円(技能5時限) | — |
| 岡山自動車教習所(岡山市) | 108,460円(技能5時限) | 158,620円(技能9時限) |
| 東福岡自動車学校(福岡市) | 108,900円(技能5時限) | 148,500円(技能9時限) |
出典:手稲自動車学校、新小岩自動車学校、名鉄自動車学校、関目自動車学校、岡山自動車教習所、東福岡自動車学校(2026年10月6日確認)
申請先や受付日は都道府県で異なります。警視庁の場合、技能審査合格証明書を取った後の申請は府中・鮫洲・江東の各試験場で平日に受け付け、手数料は1,350円です。
出典:警視庁「中型免許限定解除審査(指定教習所で技能審査に合格された方)」(2026年10月6日確認)
試験場で限定解除審査を受ける場合
住所地の都道府県の運転免許試験場で、直接限定解除審査を受けることもできます。警視庁の場合は府中・鮫洲の試験場で、審査日は予約制、手数料は受験料1,350円+試験車使用料1,750円の計3,100円です。一度で合格できれば安く済みますが、普段からマイクロバスやトラックを運転していない人は、教習所で練習してから審査を受けるほうが確実です。
出典:警視庁「中型免許限定解除審査(直接試験場で審査を受けられる方)」(2026年10月6日確認)
普通免許・準中型免許の人は中型免許を取る
平成19年6月2日以降に普通免許を取った人や、準中型免許の人がマイクロバスを運転するには、中型免許の取得が必要です。
受験資格
- 20歳以上
- 準中型・普通・大型特殊免許のいずれかを受けていた期間が通算2年以上
- 受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・通算1年以上で受験可能(令和4年5月13日から)
適性試験では、視力(両眼0.8以上かつ一眼0.5以上)に加え、深視力検査があります(警視庁の案内による)。
教習時限と料金の例
時限数は全国の教習所で共通で、普通免許(MT)所持で技能15時限・学科1時限、普通免許(AT限定)所持で技能19時限・学科1時限、5t限定準中型所持で技能11時限・学科1時限です。料金は教習所で差があり、普通免許MT所持の例では手稲自動車学校(札幌市)215,300円、新小岩自動車学校(東京都葛飾区)230,450円、関目自動車学校(大阪市)210,800円、東福岡自動車学校(福岡市)232,250円です。
出典:手稲自動車学校「中型自動車免許」、新小岩自動車学校「教習料金:中型車」、関目自動車学校「中型車免許」、東福岡自動車学校「中型自動車教習」(2026年10月6日確認)
合宿で取る方法もあり、合宿免許ナビでは中型を普通車MT所持で最短8日〜と案内しています。取り方の全体像は中型免許の取り方、費用の比較は中型免許の費用、合宿の詳細は中型免許を合宿で取るにはをご覧ください。
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送迎で人を乗せるなら二種免許は必要?
マイクロバスの運転でよく迷うのが、第二種免許(二種免許)が必要かどうかです。判断の基準は「旅客自動車運送事業として旅客を運ぶかどうか」です。
道路交通法第86条第1項は、旅客自動車を「旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者」は、車の種類に応じた第二種免許を受けなければならないと定めています。マイクロバス(乗車定員11〜29人)の場合は中型第二種免許(または大型第二種免許)が必要です。
| 運転のケース | 必要な免許の種類 |
|---|---|
| バス会社・観光バス会社など、旅客自動車運送事業として客を乗せる | 中型第二種以上 |
| 会社・学校・施設などが自前の車で関係者を送迎する(運送事業ではない) | 中型第一種以上 |
| 自治体やNPOなどの「自家用有償旅客運送」 | 第二種は不要とされる(ただし道路運送法上の別の要件あり) |
出典:e-Gov法令検索「道路交通法」第86条、内閣府 規制改革推進会議 資料(警察庁説明資料「第二種免許の意義・必要範囲について」)(2026年10月6日確認)
警察庁の説明資料では、第二種免許を求める理由として、旅客自動車運送事業は営利を目的とし1日の走行距離や輸送人員が多くなりやすいこと、旅客自動車の事故は多くの人命を損ないかねないことなどを挙げています。また、自家用有償旅客運送については、効率性を求めるものではない、運行区域や路線を事前に定める必要があるといった理由から第二種免許を不要としています。
ただし、「運送事業に当たるかどうか」は道路運送法の問題で、運賃を取るかどうかや運行の形態によって判断が変わります。送迎で少しでもお金を受け取る予定がある場合や、判断に迷う場合は、運転を始める前に管轄の運輸局(運輸支局)に確認してください。
中型第二種免許の受験資格
警視庁の「受験資格」ページによると、第二種免許の受験資格は21歳以上で、普通免許等の運転経験が3年以上(または他の第二種免許を受けていること)です。中型・大型免許と同じく、受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・経験1年以上で受験できます。
2026年4月から中型免許にもAT限定
警察庁によると、中型・準中型・中型第二種免許のAT限定は令和8年(2026年)4月1日施行で導入されました。マイクロバスにはAT車もあるため、AT車だけを運転する予定なら選択肢になります。
ただし、施行前から指定を受けている教習所などでは当面の間、従来の方法での教習も認められており、AT限定コースがあるかは教習所によって異なります。また、勤務先にMTのマイクロバスやトラックがある場合はAT限定では運転できません。入校前に運転する車両と教習所のコースを確認しておきましょう。
出典:警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」(2026年10月6日確認)
勤務先でマイクロバスの運転を頼まれたときの確認ポイント
会社や施設で「マイクロバスの運転をお願いしたい」と言われたときは、運転を始める前に次の点を確認しておくと安心です。
- 車検証の乗車定員・車両総重量:11〜29人なら中型免許、30人以上なら大型免許。見た目や車名ではなく、必ず車検証の記載で確認します。
- 自分の免許証の種類欄と条件欄:「中型」と書かれていても、条件欄に「中型車は中型車(8t)に限る」とあれば乗車定員10人以下まで。限定解除が必要です。
- AT限定かどうか:AT限定の免許ではMTのマイクロバスは運転できません。
- 送迎が「運送事業」に当たらないか:運賃や料金を受け取る形なら、第二種免許や事業の許可が関係します。判断に迷う場合は会社を通じて運輸局に確認しましょう。
- 限定解除・免許取得の費用を誰が負担するか:業務で必要な免許なので、会社負担になるか事前に相談しておくと、後のトラブルを防げます。
特に8t限定中型の人は「中型」という表記で誤解しやすいため、免許証の条件欄の確認は最優先です。
仕事で大型・中型免許が必要なら「大型・中型免許合宿」(遠鉄自動車学校グループ)
- 大型・中型・準中型・けん引・大型特殊・二種に対応(静岡県内6校)
- 中型免許を持っていれば、大型免許は約8日(公式サイトの案内)
- 朝・昼・夕の食事込み。交通費は新幹線自由席の範囲で支給
- 大型・中型などは一般教育訓練給付金の対象講座あり(条件あり)
よくある質問
Q. 昔の普通免許(8t限定中型)でマイクロバスに乗れますか?
乗車定員11人以上のマイクロバスは運転できません。8t限定中型で運転できるのは乗車定員10人以下までです。限定解除(教習所なら技能5時限〜)をすれば、乗車定員29人以下まで運転できるようになります。
Q. 10人乗りのワゴン車は普通免許で運転できますか?
乗車定員10人以下で、車両総重量・最大積載量も普通免許の範囲内(平成29年3月12日以降の普通免許なら3.5t未満・2t未満)であれば運転できます。車検証の数字を確認してください。
Q. 幼稚園や介護施設の送迎バスは二種免許が必要ですか?
道路交通法で第二種免許が必要とされるのは、旅客自動車運送事業として旅客を運ぶ場合です。施設が自前の車で関係者を送迎する場合が運送事業に当たるかどうかは、運賃の有無や運行の形態で変わるため、迷う場合は運輸局に確認してください。
Q. マイクロバスの運転には何歳から乗れますか?
中型免許の受験資格は20歳以上・普通免許等の経験2年以上です。受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・経験1年以上で受験できます。
まとめ
マイクロバスに必要な免許は乗車定員で決まり、11〜29人なら中型免許、30人以上なら大型免許が必要です。平成19年6月1日までに取った普通免許(8t限定中型)を含め、普通・準中型の免許では乗車定員10人以下までしか運転できません。8t限定中型の人は技能5時限からの限定解除、それ以外の人は中型免許の取得(普通MT所持で技能15時限〜)で運転できるようになります。旅客自動車運送事業として客を乗せる場合は中型第二種免許以上が必要です。
あわせて中型免許の取り方、中型免許の費用、乗車定員30人以上のバスを考えている方は大型二種免許もご覧ください。
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